『芳賀ゆい』は、1990年、伊集院光のオールナイトニッポンで、番組とリスナーによって作り上げた“架空のアイドル”です。
番組内で、伊集院さんが「“はがゆい”とか“おだまり”とかいうアイドルがいたらおもしろい」と発言したことがきっかけで話が盛りあがり、リスナーから理想のアイドル像を集めていくうちにプロフィール等も出来あがっていき、そのまま企画はエスカレート。最終的にはライブをやったり、CD、ビデオ、写真集を出すまでに至りました。
そうして活動してきた芳賀ゆいですが、決して顔は出しません。各人が理想の芳賀ゆい像をあてはめれば良いということです。そのため、芳賀ゆい役を演じていた人も特定の一人ではありません。歌用の芳賀ゆいや、ジャケ写用の芳賀ゆいなど。イベント時には最大5人の芳賀ゆいが登場したり、外国人の芳賀ゆいもいました。
結局、芳賀ゆいは企画開始から11ヶ月、CDデビューから3ヶ月の芸能活動の後、海外留学と言う事で休業宣言。その幕を閉じました。が、しかし、その企画はど多くのマスコミで絶賛されただけでなく、日経のヒット商品番付に入るなど幅広い評価を受け、伊集院さんがしばらく“芳賀ゆいの伊集院”という扱いだったのは周知の事実です。
（で、ココからは私の推測なんですけどね…）芳賀ゆいの企画って、本当は“架空のCDデビュー”をするという設定で、デビュー記念のオールナイトニッポンを行なうところまでで完結させ、伊集院光のANNは終了、伊集院さんはヤンパラの三宅さんの後任で夜ワイド枠へ、という皮算用がLFにはあったのだと思うんですね。ところが、間際になってCBSソニー（現・ソニーミュージックエンタテインメント）が食いついてくるなどしたため、それならばもっと遊んで完結させようという事で、終了が決まっていた伊集院ANNは急遽金曜に移って継続。半年間の壮大な遊びを行なった上で、番組改編期前に企画を終わらせ、晴れて番組も終了。伊集院さんは5ヶ月の充電を経て、予定通り夜ワイド枠へ、という形で大幅に目標を上方修正しながら行なってきた企画だったのではないかと思ってます（木曜ANN1部へという噂もありましたが、どっちにしろ番組終了は予定調和だったと思います）。
ちなみに、芳賀ゆいの休業宣言から10年。ゆいちゃんまだ留学してるのかなぁ？