●第一回伊集院杯争奪読書感想文コンクール

活字・印刷物になっているものなら、すべてが対象と言う読書感想文コンクール。


★『いろはがるたを読んで』 虚弱王福田
僕は、今まで自分がなんて甘ちゃんだったのかと、つくづく思い知らされました。いろはがるたは、そんな僕の心を、まるで雷のように撃ちました。いろはがるたの格言は、すべて現実に当てはまるのです。“律義者の子だくさん”は山田隆夫。“ちりも積もれば山となる”は西川きよし。“頭かくして尻かくさず”は田村絵里子。“貧乏暇無し”は伊集院光。と言うように、いろはがるたは、まるでノストラダムスの大予言に匹敵する、今のおぼれる人類に対しする警告を発している予言の書だと言う事が出来ます。とにかく、いろはがるたと知り合ったおかげで、僕の人生の視野に広がりが出来て来たと思います。これからも、いろはがるたの言葉を信じて、とんちの利いている人生を送りたいと思います。おわり。
(渋谷区/PN:虚弱王福田DX)


★『シートタイプゴキブリホイホイ 取扱説明書を読んで』
僕は、この説明の一行を読んで、大きな感動を受けました。その一行には、“このシートタイプゴキブリホイホイは、ゴキブリホイホイの姉妹品です”と書いてありました。そうです。そうなんです。ゴキブリホイホイも、このシートタイプゴキブリホイホイも、実は女性だったんです。この女性達は、台所の流しや、冷蔵庫の裏、物置、暖かく湿った所の物陰など、陰気で狭い所で、3〜4週間、休みも無く働く事が出来るそうです。何とすばらしい働き者でしょう。これは、アリとキリギリスに出てくるアリさん以上の働き者です。しかし、彼女たちもやっぱり女性、直射日光が大嫌いだそうです。そして、その柔肌の彼女たちの最後は決っています。そう。彼女たちは、手軽に捨てられてしまうのです。なんと、なんとむごい仕打ちでしょう。僕は、涙を止める事が出来ませんでした。僕は、この説明を読んで、いろいろな事を、深く深く考えさせられました。おわり。
(東京都八王子市/PN:村雨)


★『ROC新宿店の閉店売り尽くしセールのチラシを読んで』 宮田英利
そのスケールの大きさと、迫力に圧倒されっぱなしだった僕は、今、ROC新宿店の偉大さにひたすら感動していると言っても、過言ではありません。店内改装のためと銘打たれた、新聞の1ページ大のこのチラシは、赤字に太い墨書きで、殴り書きの活字が躍動しています。その名も、“閉店売り尽くし”。たった7文字に、やる気と緊張感がみなぎり、読むものに、購買欲と勇気をさそってきます。しかも、その下には、希望小売価格5万2千円のスーツが、8千円で処分されると書いてあるではないですか。3万円のジャケットも、たった6千円です。消費者に安いものを提供するためには命を惜しまない、ROC新宿店の店長は、ナイチンゲール、野口英世に通ずるものがあると思います。将来僕も社会人になった時は、ROC新宿店の店長のような人になりたいと思いました。おわり(※1)。
(川越市/宮田英利)
※1伊集院コメント そんなに誉めなくてもいいんじゃないか?


★『英字新聞を読んで』 ちょうちんアンコウ
読めない。。。。以上。(※2)。
(神奈川県/PN:ちょうちんアンコウ)
※2伊集院コメント この作品は、感想文界で言うところの“つかみ”と。


★『友人Kの歴史の答案を読んで』 12番・キングベン
彼の答案を見ると、右上に“1”という数字がありました。なんでも1番が好きなんでしょう。次に、答えを見ると、一人で日本の歴史を塗り替えていました。「645年・応仁の乱」「1192年・江戸幕府」など。おまけに“もっと勉強しろ、明日追試”という先生の励ましと、更なるテストというすばらしいプレゼントまで用意されていました。僕は、友人Kを世界一の幸せモノだと思いました。おわり
(江東区/PN:キングベン)


★『英語家庭教師やりますという張り紙を読んで』ラッコアラ
私は、学校の帰りに「英語の家庭教師やります」と書いてあって、電話番号が書いてある作品が34個くっついて並んでいる張り紙を見つけました。私は感動しました。こんなにまで英語を教えてあげたいというこころやさしい人なんて、どこにもいません。私は“いい人だな”と思いました。しかし、次の日、その張り紙を見たら、青のマジックで大きく“バカ”と書かれていました。私は、こんな惨めな作品を見た事がありませんでした。私は、その人に言いたいです。“惨めでもいい。やさしく育ってほしい”と。次の日見たら、その張り紙はありませんでした。“寂しい…、私の努力って、いったい…”という気分でした。おわり。(※3)
(神奈川県/PN:ラッコアラ)
※3伊集院コメント
これひょっとして、張り紙の作者、自分?
こういうケース良く知ってます。私の姉が“家庭教師やります”という張り紙を貼ったところ、“お前に教わるくらいだったら自分で勉強した方がマシ”って中学校時代の同級生に書き足された事が…。


★『銭湯で私の後ろで体を洗っていたお兄さんの体の彫り物を読んで(※4)』サビローネ北島
あれは、先週の日曜の夕方、近所の銭湯・松の湯に行った時の事です。私の後ろで恰幅のいいお兄さんが、体中に石鹸の泡をつけて体を洗っておられました。“いい体してるなぁ”と思って、眺めていた時です。背中の石鹸の泡が、お湯で流されると、そこからは虎と竜が闘っている見事な作品が現われました。そして、この作品の横には、草書体で次のような言葉が書き添えられておりました。「虎穴に入らずんば己を得ず」この13文字の言葉から“どっからでもかかって来い。ただし、俺を倒すのは容易じゃねえぜ。虎の穴に入るくらいの危険は覚悟で来るんだな”という意気込みと、強い闘争心を感じました。私は、この作品に出会った後、お湯に浸からずにそのまま出ました。
(岩手県/PN:サビローネ北島)
(※4)伊集院コメント 危険な読書だな、、、


★『戸籍謄本を読んで』エイジ
この作品を読んで、私が最もショックを受けた事は、私が養子だったと言う事です。いままで親だと思ってた人は、どうやら肉親ではなかったようなのです。どうりで顔が似てないと思いました。私はこれから、本当の母を捜しに旅に出ようと思います。もう感想文なんか書いてる場合じゃありません。とりあえず、マルコ少年と同じようにイタリアのジェノバから出発しようと思います。では、飛行機の時間がありますのでさようなら。
♪遥か〜 草原に〜 ひとつかみの雲が〜 あてもなくさまよい 飛んで行く〜 おわり。(※5)
(埼玉県/PN:エイジ)
(※5)伊集院コメント エンディングテーマで終わる読書感想文珍しいですね。


★『レシートを読んで』先生あのね
上の「おしらせ」の欄に“毎度どうもありがとうございました”と丁寧に書いてありました。浪だがこぼれました。なぜなら、私は82円のジュース1本しか買っていないのに、こんなに親切にしてもらって、その上ジュース1本で9行もいろいろ印刷してある。そして、1番下に日付と時間が印刷してあって、疑われてもアリバイの証拠になります。この紙切れ1枚でこんなに愛にあふれているなんて、私は感動してしまいました。おわり。
(神奈川県横浜市/PN:先生あのね)


★『トイレの落書きを読んで』タマの卵ごろごろ
それは、洋式トイレのドアを開けた時の事でした。「まあ、座れや」とドアの落書きが優しく迎えてくれました。人の優しさにふれた僕は、胸が熱くなり、言われたとおり腰掛けました。すると今度は、目の前に「右を見ろ」と書いてあるではありませんか。右の壁を見ると「後ろを見ろ」とあり、後ろには「上を見ろ」と書いてありました。そして、最後に上を見ると「バカ」と書いてありました。僕の心は谷底に落とされた様に沈み、早めに用を済ませて帰りました。落書きくんよ、落書きくん。今度来た時は、僕に本当の愛を、愛をくれ。おわり。
(川越市/PN:タマの卵ごろごろ)

(引き続き工事中)


●Oh!デカナイトへ


inserted by FC2 system