●第11回「想像力」 (2,953文字 984倍返し)

さて、ガキ共の夏休みも終わり、また通勤電車に学生が増えるのかと思うと、ちょいうんざりですが(ただ、近くの駅で降りる女子高生の制服を覚えることで、空く席を特定できるっていうメリットもあるけどね。ストーカーを見るような軽蔑の目で見られるというもろ刃の剣でもあるけど…)。そんな夏休みも終わる8月20日くらいからでしょうか、うちのサイトに検索サイトから来る人の検索ワードで「読書感想文」が増えてきたのが。うちのサイトにある読書感想文は、Oh!デカでやっていた「伊集院杯争奪読書感想文コンクール」の文字起こしだけ(それも作りかけ)なんで、まあ役に立たなかったでしょざまあみろ、って感じなんですけど。

で、これって、ガキ共が感想を書いてあるサイトを探して、本を読まずにそのまま感想文に使ってるって事なの?今の奴らはそうやって宿題やるものなの?(うわ、おやぢっぽい発言)私らの時も、確かに日記の天気とかは、8月終わりにまとめて掲載してる新聞とかを写したことはあるけど、読書感想文は自分で書いてたよ。…読んで無いけどね。

そう。読書感想文ってのは“いかに読まずに原稿用紙を埋めるか”の腕を見せるためのモノでしたよね(確かにズルはしてるかもしれないけど)。今でこそ読書は好きですけど、だいたい小学校とかの感想文って推薦図書の中から選らばなきゃいけないじゃないですか。あれがネックなんですよね。読むのが酷な本をわざと選んでお薦めしてるのが推薦図書なんじゃないかってくらい読む気のおきない本がズラリじゃないですか。あ〜いうのの中から選ばせようとするから、みんな“いかにズルをするか”に頭を使うようになっちゃうんですよね(ちなみに、どんな本でも良いっていう条件の時には、トータルで2,000ページ以上の「古典落語全集」上中下巻を読んで出したこともあります)。

そこで、いかに読まずに感想文を書くかという事なんですけど。まずは一番簡単なのは、映画化されている名作を探すと言う事ですね。うちの近所にはビデオの貸出しもしてる公立図書館があったんで、それこそ約2時間見れば、レンタルビデオ代もかからずに感想文が書けましたからね。ただ、そういう作品が無い時、もしくは映画もつまらなそうな時はどうしたらいいか。ひとつに“まえがき”や“あとがき”だけ読んで書くというテクニックがよく使われますが、この場合たまに“あとがき”や、その前についてる“解説”なんかを別の作家が書いてたりすると、単にそいつの知ってる類似作品の知識とかをひけらかすだけの場になってたりするので、かえって作品と離れた内容になってしまうこともあります。それこそ、そういう時は、(前に伊集院さんも似たこと言ってた気がするが)タイトルや書き出し、表紙とかといったごく一部の情報から感想文を書いてみる方がよいでしょう。

ただ、少ない情報から広げて原稿用紙数枚にするのですから、そこにはテクニックが必要です。私がよく使った手は、まず文章を読んで感じたことではなく、その文章のほんの一部分の“単語”をみて考えたことを書くというもの。“〇〇という言葉はそもそも…”と言って豆知識ネタで広げるとか“〇〇という言葉を辞書でひいてみると…”なんて展開で字数を稼いでみてもよい。そしてもう一つが、話を派生させていって、全然別の社会情勢とか自分の過去の体験とかの話をし出して、一般論で結論づけてしまう事。これだと、一般的に“正論”と言える結論にしてしまえば、読んだ人も否定はできないからね。結構、押し切れちゃうもんです。

というわけで、ここまで書いてきましたんで今日は私も感想文を書いてみます。選んだ本は「世界の中心で愛をさけぶ」。私、この本読んでませんし、映画やドラマももちろん見てません。今回はタイトルと、さっき書店で見てきた表紙と、あと少し前に繰り返し流れてた映画のスポットCMだけを頼りに、想像力で感想文に挑戦です。

『「世界の中心で愛をさけぶを」読んで』

まず僕は、この本を手にとって、その帯に書いてある文章に愕然とした。
「好きな人を亡くすのはなぜ辛いのだろうか」
普通の本では人が死ぬなどというシーンはクライマックスである。ラストシーンでそれまで気丈にふるまっていた主人公が死んでしまうから、感動を覚えるのである。しかし、死ぬことが最初からわかっていたらどうであろうか?。そんな、ともすれば作品の面白さを半減させてしまうような事を宣言してからこの本は始まるのだ。それでももう一つの、映画化後に付けられた方の帯で柴咲コウ女史が「泣きながら一気に読みました」と書いているということは、もの凄い感動が待っているのではないか。私は、心してこの本を読むこととした。
そもそもタイトルからして壮大だ。舞台は“世界の中心”である。そんな想像もつかない所で、これまた“愛”などという、それこそ1冊の本で語ってもまだ語り尽くせぬほどの深いテーマを取り上げているのである。「蹴りたい背中」とかだと、教室で前から4番目の僕の席からでも3つほど見ることが出来るくらい身近なものであるが、世界の中心で愛を叫んでいるような場面に僕は出くわしたことが無い。そもそも、愛はさけぶものなのだろうか?。一昔前の青春ドラマならまだしも、今ではメールで愛を告白することもあると言う。むしろ、愛はささやくもののような気もする。それこそ僕などは念じる事はたまにあるけど、さけぶ事などは考えられない。一生懸命勇気を出してつぶやくくらいだろうか。「好きだ!」などという事をさけぶのはかなり恥ずかしい。
そこまで考えてふと思った。世界の中心でさけぶのに「好きだ」では通じないのではないか。それなら英語で「アイ・ラブ・ユー」だろうか。しかし、それこそささやきたい言葉ではないか。「ジュ・テーム」も同様である。「我愛称」などはチャイナ服をきた女の子とかに言ってもらいたい気がする。ドイツ語の「イッヒ・リーベ・ディッヒ!」はかろうじてさけんでも通じるかもしれないが、そう考えると、実は日本人は愛をさけぶことのできる数少ない人種なのかもしれない。
そういえば、この本では成田空港で大声でさけぶシーンがある。読解力の無い僕が読んでも、恐らくあれが愛をさけんでいる世界の中心であろう。空港というと、世界の中心というよりは、世界への玄関口というイメージがあった。特に成田空港と言えば、拡張計画が難航し、そのキャパシティの乏しさから東アジアのハブ空港としても物足りないと言われて久しい。しかし、それももう過去の話なのかもしれない。アジアの中心にもなれなかった成田が、世界に対して声高にさけぶことができる様になったのである。まさに世界の中心としての地位を手に入れたという事ではないだろうか。
帯に書かれた柴咲コウの言葉は「そんな恋愛を私もしてみたい」と締められている。私も、世界の中心である成田空港でドイツ人に愛をさけびたいと思わせるような、そんな作品でした。

以上。1240文字。原稿用紙にして3枚強。改行とかを上手くやれば4枚目も埋まるくらいか。読書感想文の宿題としては十分ではないだろうか?。想像力と言うよりは創造力(捏造力?)かもしれないが。

2004.9.4  NEWラジパラザウルス


●第12回「SOS」 (2,321文字 773倍返し)

SOSというと、モールス信号よる救難信号ですね。信号が聞き取りやすいという理由でこの3文字が選ばれており、SOSにより初めて救助活動が行われたのがタイタニック号だった、なんていう豆知識もあったりするんですが。ま、この“SOS=助けて!”というのは誰でも知ってたりしますけど、今、“SOS”って使うシーンあるんでしょうか?飛行機とかでパイロットがモールス信号打ってる所ってなんか想像つかないんですけど…(実際はあるのかもしれないけどね)。で、そう考えて見ると、いま飛行機から、それも乗客がSOSを伝えようと思ったらどうしたらいいんでしょうか?いや、なんでこんな事気にしてるかというと、実は私、海外での飛行機運が頗る悪いのです。

ココ見てくれてる人って、10代〜20代の人が多いようなのですが、ま、そういう人達にとって30超えた男ってのは、ちょっと暇を見つけては海外に行き、前後左右に現地女性をはべらしては、かわりばんこにブラのホックを外しては付け、外しては付けしてガッハッハしてるのが当然だとお思いでしょうが、実際はそんなことはなく、私が海外に渡航したのもまだ3回ですかね。で、その3回のうち、3回とも飛行機がまともに飛んじゃいないのです。

営業妨害になっちゃうとマズいんで、航空会社名と行き先は伏せますが、1回目の時が一番酷かった。事情はよくわかりませんが、とにかく何かのトラブルで“この飛行機では目的地まで着けない”と言うことが、飛んでる最中に判ったらしくて、ちょっと引き返して一番近い空港に不時着…ではなく、緊急着陸するという事になったんですね。ま、私はプチパニックが始まっている中ガーガー寝てたんですが、近くにいたおせっかい日本人の「ひとり気絶してるぞ!起こして酸素!」の一言により、ビンタで起こされたんですけどね。で、起きて見るとそこでは、飛行機乗るたびにイメトレさせるくせに一回も使ったことなかった酸素マスクはぶらさがってるわ、救命胴衣を着けて足りない分の酸素を“フ〜フ〜”と入れてる奴がいるわのお祭り状態。で、とりあえず寝ぼけ眼で酸素マスクを付けてはみたものの酸素なんか来ちゃいない。そうこうしているうちに機長のアナウンスが始まったのですが、海外の航空会社だったため英語でしゃべってるもんだから何言ってかわからない。いったい何がどうしたんだかと一生懸命聞こうとしていると、唯一聞き取れた言葉が。

「マニラ」

“今、マニラって言った?マニラって言ったよね?”などと友人たちと騒いでいるうちに、気づいたら出発地でもなく目的地でもないフィリピンにいました。ま、最後の30分くらいはなんとなく慣れてきたし、“とりあえず死にはしないだろ”くらいの感じにはなってきたので、急激な気圧の変化に耐えられないで体調崩してる人や、一心不乱に遺書書いてる人を尻目に“初酸素マスク記念”の写真撮ったりしてたんですけどね。結局、本来は寝ていたはずの真夜中に、緊急着陸なんで入国することもできず、延々とフィリピンの空港で待たされたあげく、日本から来た替えの飛行機で目的地へ向かいました。

で、こんなんが初海外だったんで、2度目の時も警戒してたんですが、2カ国回ったにもかかわらず何もなかったので“さすがに続けては無いか”と安心しきってたら最後に来ましたね。帰りはその2カ国目の国から元の1カ国目を経由して日本に帰る予定だったんですが、航空会社から「予定していた飛行機が急にちっっちゃいのになっちゃって、お前は乗れない」という旨の連絡が。なんだ?その“急にちっちゃくなっちゃった”って。マギー審司だって予定調和で耳おっきくなっちゃってんのに、急にちっちゃくはなんないだろ?と思いつつ空港で待たされていると、空港の日本人スタッフが「国内の別の空港からなら飛ぶ便がありそうです。いますぐ国内線に乗って下さい」と。なんかわけわからず、でもまぁ“成田からは飛ばないんで羽田に行って下さい”くらいの感覚だろと思って飛行機に乗ってみたら甘かった。Tシャツ短パンで、それでも暑いくらいのところからの同じ国内への移動だったのに、空港降りたらみんなスキー板とか持ってやんの。コートとか着てる奴もいて息も白くなってる中で俺だけ超薄着。で、「やっぱ飛びません」ってどーいうこと?。結局、その日は航空会社が用意した空港前のホテルで1泊して、翌日日本直行便で帰ったんですけどね。経由するときに受け取ろうと思ってた1カ国目のお土産は残したままね(ちなみにこの後、航空会社から賠償金が出ました。現地通貨の小切手で…。どこで換金すりゃいいんだよっ!)。

そんな感じですから、3回目の時はもう慣れっこでしたね。帰りの空港の出国審査も終わった後の搭乗口で「機材トラブルで今日は飛びません」って言われても“あ、そう”って感じで。「明日の仕事どうしてくれるんだ!」とか「無理にでも日本まで飛ばせ!」などと言って航空会社の係員に、胸ぐらつかんで詰め寄ってる人がいるのを尻目に、私はツアー会社の係員に詰め寄り「この周回バスのフリーパス明日も使えるんですか!」とか「今日、航空会社が用意するホテルはディナーついてるんですか!」ってな感じできっちり延泊を楽しんできました。

ま、そんな感じで“海外へのフライトは怖いぞ”という話なんですが、え〜、何が言いたいのかといいますとね、そんなわけで明日から4回目の海外逃亡です。とりあえず1週間くらいたっても音沙汰が無かったら“何かあったな”と思っていただければ…って、でもこのサイトを2年も放置してた俺だからなぁ。ということはみんなに気付いてもらえるのは2年後…か。

2004.9.4  NEWラジパラザウルス


●第13回「場違い」 (1,339文字 446倍返し)

ちょっと前に、よく見るサイトの掲示板で(うちからリンク張ってあるとこだったと思ったけど、どこだったっけか?)『渋谷はどこに行ってもアウェイの気分になる』という話が数人から出ていて、なんかこの“アウェイ”という表現が面白かったんですけど。ま、たしかにメインカルチャーの中心地ですし、屯してるのは“好きになったらやっちゃえばいいじゃん”的な発想の男女ばっかりなんだろ!どうせ、って場所ですけど(偏見)、ただ、私にとっては隣の区で育ったもんでガキの頃から自転車で行ったりしてましたし、今は通勤の通り道だったりするんで、なんとか我々にも安心して過ごせるオアシスを作りたい。そこで、今回はおしゃれ軍の聖地である渋谷にはなんか場違いな、ブサイク軍スポットを探して行きたいな、と。

ま、11月も後半にもなると、だんだんクリスマスのイルミネーションなんかが出始めてて“お前ら、西田ひかるでも誕生会止めた昨今なのに、1カ月も前から死んだ奴の誕生会かよ!”ってな感じになってるんですが、実は去年のクリスマス、センター街がどうなっていたか知ってますか?。去年はどういうわけだか、DVD発売に併せて『バトルロワイヤル2』がスポンサーについていたため、なんとセンター街中に“Merry X'mas”と書かれた竹内力のポスターが貼られ、BR2のおどろおどろしいテーマがスピーカーから流れるかなり怪しい通りになっていたんですよね。路上で販売されてる観賞用のきのこの方がクリスマスグッズなんじゃねえか?ってくらいの、かなりいい味出してる雰囲気でした。ま、今年はDT&槇原のチキンライスとおしゃれブランドかなんかがスポンサーについていて、元に戻っちゃってましたけどね。残念ながら。

で、もう1つ。渋谷というと、ハチ公前の広場(?)を中心に、バックに大手レコード会社もついていないのに“第二の川嶋あいになりたい”ってな感じで夢だけ見てる路上ミュージシャンたちと、誰もが思っても恥ずかしくてあえて口に出さない事を臆面も無く書いちゃう人達こと、路上詩人の方々といった、アーティストを目指す人達がたくさんいる所なのですが、この中で今、注目の人がいます。それは、主に駅からちょっと離れた公園通り沿いの三井住友銀行前あたりにいる黒人ミュージシャンです。いや、別にココまでは普通なんですけどね、なにがおかしいって、この人ドラムソロなんですよ。それも、決して良い楽器ではなく、鼓笛隊の小学生から小太鼓かっぱらってきたみたいなドラムセットで。で、CCBみたいにドラムたたきながら“フッフッ”とか歌う訳でもないんで、ホントにドラムプレイだけを延々と続けているってのはかなり異様。他を寄せ付けない実力って言い方しますけど、ホントに文字通り寄せ付けない演奏しちゃだめだろ、って感じなんですよね。ただ、ギャルズをサクラに置いて愛とか恋とか歌ってるバンドとかよりは、確実にブサイク軍寄りのアーティストだと思うんで、まあ演奏はともかく一度見てみる事をおすすめです。

てまぁ、こんな感じで、アウェイ渋谷においても、よーく探すとブサイクゾーンも存在します。今まで“自分は場違いなんじゃないか?”と思って敬遠していた人達も、勇気を出して訪れてみてはいかが?

2004.11.22  NEWラジパラザウルス


●第14回「ドラフト」 (1,039文字 259倍返し)

『深夜のバカ力』の中で伊集院さんが、先日行われたオリックスと楽天の分配ドラフトに倣って、ホリプロと渡辺プロの合併の際にプロテクトされる人は?みたいなトークをしていた。面白かったので自分でもいくつか考えて、ついでに番組宛にふつおたで出してしまった(最近、通常のコーナーにはがき出さないくせにこんなことばっかりやってるな、俺)。で、これコーナーでは無いんで、ボツネタ公開裁判所に書く訳にも行かないし、でもせっかく考えたんでそのうちのいくつかをここに記しておきます。

《小室ファミリーとつんくファミリーの合併に伴う、つん小ファミリーのプロテクト枠:15人》
まず本人同士、小室とつんくはプロテクト。次に、即戦力として松浦亜弥はプロテクト。また、もうちょっと小室とペアの夫婦ネタで引っ張れるだろうと言うことでKEIKOもプロテクト。となると、小室側からもう一人…と思いきや、飯田脱退後のモーニング娘。で11人プロテクトしなければならないため、残念ながらマーク・パンサーは楽天へ。

《石原軍団とイエローキャブ合併に伴う、石原軍キャブのプロテクト枠:10人》
まず看板俳優と言うことで、渡哲也と舘ひろしはプロテクト。イエローキャブ側からは、いろいろと器用にまわせて潰しも利くと言うことで雛形あきこをプロテクト。また、ジョージアの3人になぜ残ったのかと思ってたらプレゼントの配達要員だった佐藤江梨子も、まだCM契約が残っていると言うことでプロテクト。逆に、ただウザいだけだと言うことに回りも気付き出したと言うことで、山田まりやは楽天へ。次にバラエティで幅広く使えると言うことで、峰竜太をプロテクト。同じくバラエティ要員として、小池栄子とMEGUMIをプロテクト。さらに今後の戦力と言うことで、まだ投資に見合った稼ぎをあげていない、21世紀の裕次郎こと徳重なんちゃらはプロテクト。で、同様にR.C.Tもまだどっちに転ぶか判らないということでプロテクト…しようと思ったら、なんか一人産婦人科にプロテクトされてる奴がいたため、仕方ないんで根本はるみだけプロテクト。となると、小池・MEGUMI・根本と揃えたため、ある程度ルックスのクオリティを保たなければいけないので、ひとまず昼番組とかでまだ使える神田正輝をプロテクトしておいて、アバンギャルドの小倉優子+桜木睦子あたりと1対2の交換トレードを画策。

てな感じです。しまった。ココ、駄コラムなのに、ネタ見せになってしまった。ま、でもまた思いついたら書きます。

2004.11.23  NEWラジパラザウルス


●第15回「散髪」 (1,288文字 644倍返し)

今日、髪を切りに美容室へ行った。“おいおい、ブサイク軍なら床屋だろう”という話もあるでしょうが、単にこの辺で一番安いので。ここ10年で3度ほど転居しているのですが、その都度“店の前に置いてあるクーポン券を持って入店すればカット1,600円”みたいな店が近くにあったりするので。ま、そーいう店なんで、美容師のタマゴみたいな人がやっている感じで、決してカリスマはいないんですけどね。

ただ、未だにシステムには慣れてなかったりするんですが。まず最初に必ず“スタッフの御指名ありますか?”って聞かれるんですが、あれって何基準に選べばいいんでしょうか?別にいままで“右耳をきれいに削ぎ落としてくれた美容師”とか“逆に市川染五郎並みの青ひげを生やさせてくれた美容師”なんて言う迷惑な人には出会ったことないんで、そうじゃなければフツーに切ってくれれば誰でも良いんですが。

あと、髪切ってる最中に本を数冊持って来てくれるんですが、気を使って男性向けの雑誌を持ってくるでしょ。でも実は、せっかく美容室行ったんだから、普段立ち読みとか出来ない女性週刊誌とかを見たいなぁって思ってるんですよね、いつも。今日も持って来られたのがメンズモノのファッション誌とカー雑誌。読まないんだよなぁ残念ながら(っていうか、ファッション誌読んでる奴の風貌じゃないでしょ?)。で、もう1冊は『フライデー』だったんだけど、女性の美容師の目前で“熊田曜子ぷるるん伝説”なんて書いてある表紙を堂々と開けるほどの度量はないですよぉ。・・・ま、読みましたけどね、結局、こそこそと。

あとは、フランクに会話してくる人もちょっと苦手。だって、美容師になろうとしてる人と話しが合うとは思えないし。たいていは、雑誌に目を落としてれば話しかけてこないなって事に最近気付いたんですが、それでもトークの練習なのか無理矢理話しかけてくる人いますよね。なんか、そういう人を覚えておいて“この人とこの人以外で”っていう指名の方法はダメなのかなぁ、などとふと思ったり。

あ、ただ、何回か前についてもらった美容師さんはちょっとオモシロだったけどね。しきりに話しかけてくるんだけど、その第一声が“知ってますか?明日関東地方に大地震来ますよ”ですから。基本的に友達にはなりたくないタイプですが、何言い出すか楽しみだったんでしばらく聞いていました。なんでも友達からのメールで知った情報らしいのですが、ある研究課から転送を繰り返してきたメールだったようでタイトルも「Fw:Fw:Fw:…」とかなりの人数を経て来た情報との事。この時点で“明日”ってのはもう過ぎちゃってるんじゃないか?って気もするんですが…。ただ、彼女は地震を避ける為に明日は関東を避けて三島の友達の家に逃げるのだとか。いま考えると、あの娘は面白かったんで名前を覚えといて次に指名しても良かったかな、と言う気も。もちろん、彼女が三島の避難生活から帰って来てれば、の話だけどね。

と言うことは、フツーみんなが指名とかしてるのは“自分にあった地震予知をしてくれる人が見つかった”って事、、、なのかな?

2005.4.2  NEWラジパラザウルス


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