●第6回「不釣り合いなこと」 (1,442文字 180倍返し)

―「あなたになら、これまでだれにも打ち明けられなかったことを、なにもかもお話しできそうです。どうかわたしのために、大きな心の支えと慰めになってくださいね」。ネットのチャットのように見えるが、「アンネの日記」の書き出しだ―

いや、見えないって!ちなみに、上の文は一昨日の毎日新聞の朝刊の1面下のコラムの書き出しね。こんな書き出しでチャットに入って来る奴いたら引くって。まあ、私も言いたいことを短かくまとめられないタチなんでチャットは苦手なんですが、そんな私でもこれはやんないですよ。

で、この文章、ここからネットの話でつないで、例の佐世保の事件を語ろうとするんですけど、ネット上に日記を綴る小学生とかを無理矢理理解して語ろうとしてるのが痛々しいんですね。新聞のココの欄って記者の中でもベテランと呼ばれる人しか書けないわけで、そういう世代の人でネットとかめちゃめちゃ使いこなしてる人も中にはいますけど、ま、解っていない人も多い訳です。んで、そんな時は“わかんない”って書いちゃう方がむしろいいと思うんですけどね。門外漢が不釣り合いなこと語ろうとしちゃうのってかなり格好悪いっすよ。特に、今回の件はガキんちょの考えることだし、新聞読んでる若い世代の人達だって解ってないんだから。ねぇ。

そういえば、その前の日の新聞記事では、新たに人名漢字として使える字の見直し案が出されたってニュースが出てました。当然のごとく“呪”とか“屍”とか“糞”といった言葉が追加されたっていう部分が論議になってまして、「んな字、名前に使わねーよ!」っていうのが正しいツッコミなんですが。これを考えた法制審議会人名用漢字部会、「選定基準から、人名として適切かどうかという観点ははずしてある」って…。こっちは、決して門外漢の人達を集めたわけではないと思うんだけど、お前ら何のために集められたか解ってる?って感じ。

で、さらに(この当事者ではないのかもしれないけど)これをフォローしようとしての発言がすごい。「“癌”という漢字も“癌克服”として使えば、良い意味の言葉になる」って、だから人名なんだっての!“癌克服”ですからね、人名で…。“吉田癌克服”とかって名前の奴が出てきちゃうって事でしょ?良い意味の言葉だからって、名前としての意味は何だよ!。“我が吉田家は癌家系でみんな癌で死んでいる。だから、この子にはぜひ癌を克服してほしい”と言うことで、“癌克服”と名付けました、って感じ?いや、仮にそういう意味があったとしても、じゃあそれって癌になるって前提じゃん。“克服”なんだから。

それに、仮にそいつが健康そのものだったとしても、名前が“吉田癌克服”だと、絶対どっか体が悪いような気がしちゃいますよね。小学校を卒業する時、吉田への寄せ書きが回ってきたら、“小児癌に負けないで頑張ってください!”って書いちゃうもん、なんとなく。そんな事、小6で書かれた日にゃあどんな気がすると思います?ほら、やっぱりわかんないでしょ、ガキの気持ちは。

法制審議会人名用漢字部会とやらは、恐らく“識者”と呼ばれる年配の方々ばかりなんじゃないかと思いますが、名前もつけられる側のもんなんだし、敢えて年齢的に不釣り合いなことしないで、つけられる側の世代に考えさせりゃあいいんじゃないかと、そう思うわけですね。というわけで、次の部会ではガキたちを招集して、奴らに好きそうな字を選定させれば、、、あ。やっぱり“糞”とか選びそうな気がするな、結局。

2004.6.14  NEWラジパラザウルス


●第7回「敬語とタメ口」 (2,074文字 345倍返し)

実は、私の“NEWラジパラザウルス”って名前は本名じゃなくって、ペンネームなんですけど(この辺、突っ込まないでスルーしていただいて結構です)。基本的に、つかみで伊集院さんを笑かそうと思ってつけた名前であって、面と向かって名乗ることは想定していなかったもんで、(すごーくたまに)オフネットでこっちの名前での知り合いと会ったりしたとき、口に出して名乗るのって最初すごい抵抗があったんですよね。だって、本来名前じゃないもん、こんなの。

で、大体この名前で人に会う場合って私が一番年上だったりするんで、そうするとみんな“ラジパラさん”って“さん付け”で呼んでくれた上に敬語だったりするんですよね。これも、非常に恥ずかしい。その都度“こんな名前つけなきゃ良かった…”と思ったりするんですが、よく考えたらもっと恥ずかしいのは、ラジパラなんて名乗ってる奴に敬語使わなきゃいけないみなさんの方なんですよね。失礼しました、変な気使わせちゃって(あ、実際は気使わなくていいですからね、こんな奴ですから)。

ちなみに、(話逸れますが)“さん付け”って、“ラジパラさん”の場合は、まだ名前なんで“敬称”としてつけてもらってるのがわかるのですが、職業につけると敬称になるものと、逆に“バカにしとんのか?”って感じで聞こえるものもありますよね。“お医者さん”とか“弁護士さん”とかは敬意を表して呼んでる感じがしますが、“店員さん”とかって呼ぶと上から見下ろしてる気がしません?で、この違いは何だ?って考えて、さっき発見しました。資格とか試験を通ってるかどうかの違いなんじゃないかと?そう考えると“お相撲さん”も新弟子試験を経て力士になっているわけだし、逆に肩書的には地位があるものの“社長サン”って呼ばれると、敬語で喋られてはいるものの“あり金全部巻き上げられそう感”ありますよね(おまけに、なぜかここだけ“サン”ってカタカナ表記だし)。なんか、そう考えると資格とかに屈してるみたいでムカついてきたぞ。こっちは金払ってんだし。よーし、次からは診てもらうときも“お医者!”って呼んだろか(ただ、私が診てもらってた人は、夕刊フジとかで性病とかの絡みでエロ話しを語ったりしてる人で、元々威厳は無いんだけどね)。

で、(話戻って)敬語とかって、世間的には“一般常識”として考えられていたりするモノなのですが、実はこうした敬語の使い方に対して一番厳しいのは、むしろ常識があるわけでも無く、またなんら資格があるわけでも無い、極道の世界の方だったりするんですよね。非常に上下関係厳しいです。

となるとですね、当然、バイキンマンとかはもう悪の世界ではビッグネームとして上に立ってるわけですから、やっぱり下のモノは敬語を使って“バイキンマンさん”と呼ばなきゃいけないわけですよ。悪の代名詞として極道の限りをつくしてる方ですからね。もう、人間関係が巧くいかなくてドロップアウトしてしまいなんとなく悪の道に…なんていう半端な輩は大変ですよ。テレビで見ていた感覚で“バイキンマン!”なんて呼び捨てで呼ぼうモノなら若い衆にボッコボコにされたうえで、指詰めくらいは必至ですよ。ドキンちゃんだって“組長の女”クラスですから、“ちゃん付け”なんて以ってのほか。“ドキン姐さん”って呼ばないとね。

まあ、ここではドキン姐さんの「かわいい坊やじゃないか。アンタ使ってやりなよ」の一言でなんとか免れ、バイキンマンさんの下で働くことになるわけです。そうすると、一度は消されかけた命です。彼も改心してヤクザ渡世に揉まれる中で上下関係も覚え、で、そうすると姐さんに目をかけてもらっているわけですからトントン拍子で出世していきます。ついにはバイキンマンさんから「次の抗争で向こうの親玉の首とったら、お前にひとつ、組をまかせるつもりだ」と言われるまでになりました。彼も“さん付け”で呼ばれる立場になるわけです。

そんなこんなで、いざ抗争のとき。敵が空腹の猿を助けてる隙についに首を取ることに成功。「これで俺も一人前だ」とフッと緊張の糸がとけた瞬間、背後から近づく影に気付かずサクっと殺られちゃうんですね、バタ子さんあたりに。あっけない最期。姐さんの腕のなかで「姐さん…。俺…、カッコいいっすよね?」な〜んて言いながら死んじゃったりするんですが、その後ろでは敵の親玉がジャムおじさんに取られた首を治してもらってるという…。

なんか、こうした現実を見ると、敬語が上手に使えても結果的には虚しいだけですね。目上の人を敬うって考えは必要かもしれませんが、それを言葉が使えてる使えてないで判断されちゃうってのは、なんか違うかなという気がします。なんでも英語では、こうした、相手との立場によって言い換える呼称ってのがなくて、全て“You”でOKだって言うじゃないですか。日本語も呼称の部分だユーとかミーとか使って、“ユーもポジティブになろうぜぇ”みたいな言葉使いにすれば…、う〜ん、これもルー大柴みたいでなんか嫌だな。ごめん、前言撤回!

2004.7.11  NEWラジパラザウルス

※ちなみに、私はアンパンマンは第一作の絵本までしか知らない世代なんですが、今回の妄想文書くんでちょっと調べてみたら、なんかバイキンマンとドキンちゃんってのは、付き合ってるんじゃないんですね。バイキンマンは手当たり次第に女に手を出したりもしていて、一方ドキンちゃんは食パンマンに色目を使っていると言う…。なんか、アンパンマンの世界もドロドロですね。


●第8回「感傷」 (2,106文字 1,053倍返し)

基本的にここは“伊集院さんがコラムを書いた同じテーマで違う事を書く”っつーのがコンセプトだったんですが、今回は同じ、ニッポン放送50周年特番で伊集院さんが久々にLF出演を果たした件について感想をば。ま、しゃべってる側の感想と聴いてる側の感想が同じなわきゃないんで、ね。

先日、ニッポン放送50周年特番の中で、9年ぶりにOh!デカナイトが復活(?)しました。なにせ、LFを追われるような形で番組を終了させられ、その後出入り禁止のような状態になっていたため、当時のリスナーにとっては感慨深いもので、直前の発表だったにもかかわらず当日まで盛り上がってましたね(なんで出入り禁止になったかの話しは、もう何度話してもキリがないんでナシね。知らない人は試しにつぼさんの所で誰かに聞いてみて下さい。怒られますんで(※1))。

いや、実は放送のちょい前くらいからうちのサイトのアクセス数も1.5倍くらいになってまして。特に放送翌日なんかは、普段だったら平日の昼間は大学とかからのアクセスが多いのですが(こんな老いぼれのサイトを世代の違う人達が見てくれてるのは非常に嬉しいことで)、この日は会社からとかのアクセスが多く、我々の世代が久々に聴いて、懐かしさで検索してきてくれたんだなぁ、とまぁ、これも嬉しかったりしました(ただ、うちのサイト、表記を全部“Oh!デカ”に統一してるんで、“オーデカ”とかで検索されちゃうと引っ掛からないんだよね。な〜んて、さりげなく“オーデカ”表記を使ってみたり…)。

ま、(欲を言えば)復活と言って生放送でやるからには“当時を振り返る”というフリで“架空の当時”を振り返る番組をやってくれるのかな?と思っていて(ANNの最終回では、ANNの名場面という事で、架空の「伊集院光のANN in 宇宙」のテープ流したりしてたしね)、実は「久しぶりに昔のコーナーにハガキを書いてみました」って言って“架空の昔のコーナー”に投稿しといたりしてたんだけどね。“本当の”当時の音源とか使うんだったら、もう目一杯懐かしテープを詰め込んで録音でしっかり作り込んだ“永久保存版”的な作りでもよかったかなと思いますが。ただ、今回は“伊集院光がLFに出る”という事に意味があるんだし、急なオファーで伊集院さんが企画の段階から参加しているとはとても思えない作りだったので、あれで十分なんですけどね。なにせ、当時は“いい時だけのニッポン放送”とまで言われたのに、いまでは斉藤安弘まで引っ張り出して“昔は良かったニッポン放送”に成り下がってるくらい懐古状態のLFに(俺の世代でも既に伝説だったよ、この人)、お台場移転の特番ですら呼ばれなかったというのは当時のリスナーとしては非常に心苦しい状況でしたからね。

10時からという、同じスタート時間でやってくれたのも良かったし当時のジングルも結構流れてましたね。よく残ってたね、アレが。っていうか、むしろ「Hot Cruising Night」のOh!デカバージョンの方残しとけよって感じしたけどね。オープニングでかかって、“懐かし〜!accessは最初の曲から「Oh!デカ・ミュージックリサーチ(※2)」でもたしか1位になってたし、よくゲストに来てたし、Oh!デカとタイアップ的な売り方してたんだよねぇ。そうそうここのサビの歌詞がOh!デカバージョンになってて…”と思って“♪今夜こそは何かが期待できそうな…”のあと“Hot Cruising Night〜”って来たときは“お、お、Oh!デカナイトじゃないのかよぉ”とベタなコケ方をしてしまいましたが。ま、テーマ曲については、エンディングで「スパイダー」かけてくれたんでイーブンってとこかな。

というわけで、いろいろ注文もつけましたけど、それだけ期待が大きかったって事で。これをきっかけに、またLFで。次はANNとか(できれば3時からの、今はエバーなんちゃらとかになっちゃってる時間で)、Oh!デカやるんだったら、もう“いまでも毎日やってますよ”って感じの普通の日の放送を、しれっと3時間やってほしいかな。「ラジオな奴ら」とかカルビーの“♪なんか変だ!なんか不思議!なんかおかしいぞ〜”のCMなんかも込みでね。いや、だって最後なんでわがまま言っちゃうと、第1回とか最終回とかARBのANNとかはテープで持ってるも〜ん。だから個人的には、一番懐かしかったのは、1曲目の東京パフォーマンスドールの「キスは少年を浪費する」だったり…。いやぁ、あの後「サイバーミーム」を録画したビデオとか探しちゃったもん。もう、市井由理の真骨頂は決して「DA・YO・NE」などではなく、「おちゃめなジュリエット」であり、「ビバ!ケ・セラ・セラ」のぶっ壊れっぷりだぞ、ってな感じで。木原さとみはなんかTシャツとかのブランドを立ち上げたんだっけ?「ブギウギ・ダンスシューズ」は名曲!丸顔好きとしては、もう一人、八木田麻衣も好きだったねェ、Romanticに背のびして!みたいな。いやぁ、懐かしいです。今回は「感傷」というテーマで、東京パフォーマンスドールを懐古してみました…。ん?

2004.7.17  NEWラジパラザウルス

※1 ホントにやらない様にね!シャレだかんね!!

※2 Oh!デカナイトで行われていた新曲ランキング。月1回、銀河スタジオにリスナーを集め、歌手名・曲名を一切教えずに50曲近くのこれから発売する曲をワンコーラスずつ聴かせ、リスナーの投票により順位をつけていた。そのため、全く無名だった熊谷幸子がいきなり1位になるというような番狂わせもあった。


●第9回「ジム」 (1,598文字 799倍返し)

いやぁ、オリンピックは尋常じゃないペースでメダル獲ってますねぇ、日本。もう金メダルだけでも2桁に乗ってきてて、おかげでまだ1週間たってないんですけど内柴あたりの顔は思い出せなくなってたりしますね。いま帰ってきて会見とかされても“あの野村と鈴木の間の、中くらいは誰だ?”って感じかも。

いや、それくらいメダルラッシュだと言うことなんですけどね。これ書いてるのは21日なんですが、昨日は(今朝か?)柴田亜衣が800m自由形で金メダルを獲りました。で、この“800m自由形で8分24秒54”って記録。とりあえず800mって距離は泳げない距離じゃないですけど、50mプールって泳いだこと無いし、毎日世界レベルの競泳見てるとなんか感覚が麻痺して来ちゃって、イマイチどのくらい凄ぇのかピンとこないって感じですよね。と言うことで、とりあえず今日泳いできました。

で、実際泳いでみると、まず200mと350mで水中メガネに水入って見えなくなっちゃいましたし、650mでキャップが脱げて髪の毛イタイイタイってなっちゃって、その都度しょぼ〜んって感じでかぶり直したりしなくてはならなくて、800m一気に泳ぐのも大変でした。というわけで、結論としては800mも脱げないあのキャップやメガネは凄い、と言うことですかね(ま、さすがに“あの用具があれば8分台も!”なんて言うベタは言いませんけどね。25mプールですし、ターンの度に立ってロープくぐって隣のコース行って周りの人の合間ぬって、って感じですしね。インターバル2回挟んで3倍くらい時間かかっちゃいました)。

てな感じで、まぁ会社の福利厚生で安く使えるんで、スポーツジムに行ってるんですけど。で、柄にもなくスタジオエクササイズ系のヤツとかやってるんですが(あれって、今だに10年位前のハードコアテクノやユーロビートとかが聴けたりするんで、それが好きで行ってるんですけどね)、あーいうとこで前2列くらい占めてる常連主婦連中ってのは何様のつもりなんでしょうか?なんか、週1回くらいで来てる私のような人間を排除するような目で見る感じで。毎日来て、インストラクターとタメ口で話せるってのがステータスなんでしょうか。なんか、そういう奴ら見てると、反発から、意地でも適当に行ってインストラクターに顔覚えられないようにしようと思っちゃいますね(駄目じゃん!通えよ)。

ま、確かにブサイク軍で、死んでもいないのに2階級特進を続けてる様な奴がいりゃあ蔑むような目で見るのも普通なのかもしれませんけどね。ただ、そういう目で見られるんじゃないかっていうイメージがあるんで、我々ブサイク軍人としてはどうしてもこういうスポットからは足が遠のいてしまう。そういう人も多いのではないかと思い、ブサイク軍的な楽しみ方をひとつ。

こういうプールもあるようなスポーツジムだと、だいたいアクアビクスとかをやってたりします。単なる水中ウォーキングだけのもあれば、水中で抵抗となるフィンやビート板とかを使っての運動もあります。で、こういう水中でやるトレーニングを、インストラクターまで水中でやっちゃうと見えませんから、水に入らずプールサイドでやるわけなんですね。これが非常にバカっぽい。長い棒状の浮くやつ(ビート板と同じ材質の、なんて名前だ?あれ)を股に挟んでやる運動とかを、均整のとれたスタイルの、それこそ美人さんだったりするインストラクターが地上でやるわけです。水中でやれば運動かもしれませんが、地上で見ると、股間から白鳥を生やしたドリフのコントにしか見えませんからね(しかもガニ股だし)。これはマヌケですね。こーいうのを隣のプールから眺めているのは非常に楽しかったりします。みなさんも、ともすればセレブ軍に占領されてしまいがちなスポットを、ブサイクに楽しむ事で、住み良い世の中にして行こうではないですか。

2004.8.21  NEWラジパラザウルス

※なんか、上の800m泳いだくだり、土曜日にこの文章を書く→たまたまテーマとあってたんで何の気無しに同じエピソードを「日曜日の秘密基地」にFAX→どうせ採用されてないだろうと思い、そのままこの文章をアップ、ってしたら、なんか読まれてたみたいね。デジャヴだと思った方、気のせいではないのでご安心を。


●第10回「ドーピング」 (2,160文字 432倍返し)

さて、オリンピックも終わりましたが、さすがに団体競技が軒並みだめだめだったせいか、後半はメダルラッシュもおとなしくなってましたかね。でも、個人的にはレスリングの田名部選手の銅メダルを取った試合がよかったですね。レスリングって基本的にルールもイマイチわかってなくって、毎回オリンピック見ながら“あ、ここでバック取ればポイントなのね”とか覚えながら見てる感じなんですけど。この試合はレスリングの試合とは別に(ひょっとしたら試合の上での駆け引きかなんかなのかもしれませんが)、どういうわけだか試合中ずっと“田名部が相手の前髪をくしゃくしゃってやると相手のウズベキスタンの選手は「もぉ〜っ」って感じでそれを七三に直す”というのを10秒に1回くらいのペースで延々と繰り返していて、そっち見てる方が面白くて気付いたら田名部勝ってましたね。あれは、6分戦い終わった時点でくしゃくしゃだったら田名部の勝ち、七三だったらウズベキの勝ちって事だったんでしょうか?ま、あれだけ金が出ちゃうと、銅メダルの試合程度だと名場面とかでもあまりやらないかもしれませんが、もし“ちゃんとレスリングの方のルールで見てた人”はぜひハイライトとかでこの試合やってらたら、くしゃくしゃルールの方で見て下さい。

で、一応終了したアテネオリンピックなんですが、最後の最後でケツメドみたいな名前の人のドーピングとマラソンのグランプリ司祭(自称)の乱入でなんか後味悪い終わり方でしたね。あのマラソンは見てまして、で、自転車でふらふらトップについて行ってた奴がずっと気になってたんですけど、あいつはなんとか出来なかったんでしょうか?あれって日本で言う白バイの替わりでしょ?中継では画面がスイッチした瞬間だったんでよくわかりませんでしたが、どう見てもあいつ、事があってから気が付いて駆けつけてましたよね。まったく。

で、その後のニュースとかではかつての選手たちがこの件にいろいろコメントしてましたけど、日本にも名ランナーが数々いるにもかかわらず、どっかの局がイカンガーにコメント求めてたのがおかしかった(一応、警備会社を経営していたかららしいのだが)。インタビュアーが英語で聞いてるのに、なぜか日本語で「ハイ。ワタシ、イカンガーデス!」と答える噛み合わなさ具合がいい味出してました。この時のコメントが“こういう事はどうしても起こり得るので、起きたときに被害を受けた選手を救済出来るルールにしなくてはダメ”というものだったんですけど、ただこれって、中継でも解説の谷口が言ってましたけど、流れや勢いが止まってしまい立て直しが利かなくなるといった弊害もあり、単純にタイムを差し引くってだけでは被害を受けたランナーは納得いかないですよね。んなわけで、いろいろ考えてみてこの場合に誰もが納得行くようなルールというと、結局“あの様な事が起こった場合は、以降の全ランナーに対してグランプリ司祭を抱きつかせる”しか無い気がするんですけどね。そんなレアなルールを今後使う機会があるのかどうかは疑問ですが。

で、ルールというと最後にどんでん返しがあったのがハンマー投げのドーピングなんですけど。なんでドーピングがいけないのかという話では“薬物が命を危険にさらすから禁止なのなら、無理な高地トレーニングとかも命が危険”という意見も確かにもっとも。ま、それプラス倫理観的な部分でドーピングだけが禁止となってるんでしょうが、“なぜ?”と言われれば“それがルールだから”としか言えません。そこで考えるのですが、彼らは命を危険にさらしてでもオリンピックでメダルを取りたい訳です。それならなぜ、ルールに違反しない方法をとらないのでしょう。

ドーピングは非常に厳しい禁止規定があります。ドーピング検査にひっかかってしまうために、選手は風邪薬さえ飲めないというくらいです。しかし、今回オリンピックを見てますと、大ケガをして足にボルトかなんかが入ってるという選手は出てました。また、田中雅美選手の目の整形は全く問題になってませんよね。ということはですね、薬さえ使わなければ“改造”はOKなんではないかと思うんですよ。ドーピングではなく、サイボーグ化ならルール違反にはならない、と。例えば、ハンマー投げなら手をロケットパンチかなんかにしておけば、それだけで十分記録でますよね。手だけの改造ですから、おそらくドーピングよりも長生きはできるでしょうし、彼らにとっては全然問題ないでしょう。ただ、ハンマー投げで“体の一部がハンマーと一緒に飛んで行ってはいけない”というルールがあったりしたらダメですけどね。ま、それでもハシゴ車の様に伸びる腕への改造でしたらクリアできますね。腕を80m以上伸ばして、そこでハンマーを落とせばいいのですから。こんな簡単なことでルールも破らず、記録も伸び、その上命を危険にさらすことも無い訳ですから、これからは各国ともドーピングなどせず、選手の“肉体改造”を奨めることで、オリンピックの健全化を目指してほしいものです。

ちなみに、サイボーグ化にも唯一弊害があります。それは、観戦している我々が、オリンピックを見ているのではなく、ROBOCON世界大会を見てる気分になってしまう事…でしょうか。

2004.9.1  NEWラジパラザウルス


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