いまですね、入ってくる作家の笹沼氏が私に対していった言葉。「ずっと一緒にいられなくてごめんね。」お前は、新幹線で離れ離れになるシンデレラエクスプレスに乗ってる恋人同士か!というですね、長いツッコミも滞りなく済み(※1)、ね、伊集院光は今週から変わった、と。
何が変わったかというとですね、いままで伊集院光実はですね、芸術活動、あの私はオペラ歌手だというですね最後の一線を…。私も古いオペラ歌手でした。この最後の一線という、プライドを重視した仕事の選び方を、私してきました。たとえば“あぁ、歌が無いんなら僕はいいです”とかそう言う事をやってきました。ところがですね、そろそろ伊集院光もそうじゃないだろ、と。ノリピーが20歳になって急にノリピー語をやめるようにですね、わたしもやっぱりもう22です。それもオールナイトニッポンも始めてもう2年近くになりますね。これでやっぱり転機が無きゃいけないと。そろそろビジュアルにも顔出さなきゃいけないと。思ってしまったのが思うつぼでしたねぇ。あのぉ、ま、昔『冗談画報』に出たとかそういうので、ちゃんとオペラの仕事もやったんですが、テレビに頻繁に、それもいい時間帯に出たいと思ってですね、これについですね、落とし穴があったんですねぇ。
なんと、初めて出たいい時間帯のテレビで乳首だしてる奴。もう嫌です、私は。ホントもう…。あのですね、どういうのかと言うとですね、あの1部の…、オールナイトニッポン1部のウッチャンナンチャンさんがやってる人気番組『ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば』。『誰かがやらねば』の中のですね、ひとコーナーにですね“じゃ、伊集院くんを出してあげるよ”と。ウッチャンナンチャンさんが“伊集院くんを出してくれないか”とフジテレビの方に言ってくれたらしいんですよ。それでですね、私のところに話が来ました。やっぱりオペラ歌手ですよ、私も。オペラ歌手なりの役と言うものがやっぱりありますよね。
「もしもし、相撲とりの役で良ければ。お相撲さんの役で良ければ…」
私の返事。
「OK!」
OK…。私も焦りが…。もう22になってしまった。23も間近だ。この焦りが。相撲とりに対して“OK”。つい。いままでいろんな仕事を断ってきたのに。OKしてしまいましたよ。それでですね、その時最初の話がですね“オペラ好きの相撲とり”というですねなんだか良くわかんないシチュエーションだけど、私、この“オペラ好き”というオブラートに、“うーん。オペラならOK!”このOKを入れてしまったんですよ。
それで、最初の話では“お相撲さんの格好をして、その浴衣を着て、それでもオペラが好きだからオペラを歌いつづけてるお相撲さんの役なんですよ”、こうフジテレビから打診がありました。私、OKして、その後ですよ。フジサンケイグループの…。いや、文句は言うまい。文句は言うまい。これ、私がOK…、浴衣を着てオペラ、チョンマゲでオペラを歌う。これOKした何日後だったでしょうか。先週のオールナイトニッポンが、私が朝5時まで、反省会やらなんやらしてですね、6時半にうちに帰って、やっと寝たのが7時。7時45分。一番眠い時間にですね、フジテレビの栗原さんという女性からお電話がありました。「もしもし、この間の件なんですけども…」「ん?ん?」「あの、この間お願いしたウッチャンナンチャンの件なんですけども」「うーん、うーん」「裸でもいいですか?」「うん」チーン。あ?俺いま“うん”って言った?俺今“うん”って言った?乳首です。私、あの『ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば』にですね、フンドシで出ています。
これがですね、あのお相撲さんの役なんですけど、私以外のお相撲さんの役やってる人がですねほとんど、元お相撲さんのタレントさんっているでしょ?知らない?あのオフィス北野の…、あの、よく『風雲たけし城』とかに出てた大富士さんっていうのかな?大富士さんとですね、忍竜さんとですね、それからあと岡本さんっていう若いね、3人くらいお相撲さんが出てるわけ、伊集院光以外のその他のお相撲さんっていうのがね。そういう役で出てるんだけど。この人が控え室が一緒なんだけど、控え室が6畳くらいの部屋なのね。6畳にさ、150Kg近い奴が4人っていうのはさ、もう辛いんだよ。なんかみんなパクパクしてるんだよ。それでさ、お相撲さんってみんなわりと無口じゃない?それで私が結構、多弁な方じゃない?多弁な方じゃない?…このしゃべり方が結構大人になった感じするでしょ?…多弁な方じゃない?なんかこのお相撲さんのご機嫌をとろうと思ってしまったんですね、私ね。お相撲さんに“あ〜そうですか。大富士さんは番付どのあたりまで行ったんですか?”とか“年寄株ってのはいくらくらいするんですか?”とか、私、まずお相撲さんにペコペコしてですね。あの、何が悲しかったかって言っても、衣装を替えるために、あの、普通の服着て行って、衣装をまわしに替えるために衣装室に入ったら“はい”って渡されて、“えっ?”って言ったら“着け方わかるでしょ?元お相撲さんなんだから”というですね、とんちんかんな衣装部の人の挨拶と共に、私はまわしを持ってウロウロフジテレビの中を歩くというですね、これたまらない。
で、いろんなスタッフの方が私にあたたかい声をかけつづけてくれました。その中で一番寂しかった言葉。そうですね、収録がだいたい3時間から4時間にわたってあったんですが、3時間目くらいでしょうか。まわしを締めて3時間くらいハードな演技をした後でしょうか。元・十両の忍竜さんが私の後ろでボソッと言った言葉。「伊集院さん肛門見えてますよ」ありがたい言葉ですね。あの、私がフジテレビという天下のテレビ局で仕事をして、この忍竜さんから、元・忍竜関からいただいた言葉が“時たま肛門見えてますよ”もう、泣きました私は。もう、どうするんでしょうか、モザイクとか入っていたら。9時台の番組で。家族とかにですね“ウッチャンナンチャンさんのおかげでフジテレビに出れるよ”って言ってですね、“お兄ちゃんやったね”なんて肩叩かれて行ってですね、肛門は見えるわ陰毛は出るわ。もう嫌です。私の人生はなんなんでしょうか。あの〜ね、最高だったのがね、まわしってね処理大切よ。あの、レグハイと…、大人になったでしょ?レグハイって言い方が。レグハイと一緒だから処理が必要なんだよ。いままでまわしって締めた事無かったんだよ。オペラ人生の中で、一度もまわしって無くて。あの、まわし締めたら、キーワからモーインが…、何言ってんだ?お前は。ちゃんと日本語にしてしゃべれ。脇からさぁ、陰毛が出てんだよ。それで…、あの…、もうこれ伊集院のファンじゃなくなった人がいたらしょうがない。でも、伊集院のこの、さみしいこの、叫びを聴いてまた笑ってくれ。あの、このね。この、メイクの人に“すみません、あの。毛を切りたいんですけど、ハサミありますか?”って言ったら、隣で『やまだかつてないテレビ』に出ていた森口さんが髪の毛の処理に使ったハサミをそのまま貸してくれて、切れるか?切れるか?その、私よりも全然ギャラランクの高い森口さんが、髪の毛をちょっとずつ切ってたハサミで、陰毛を切れるか?…切ったよ、でも俺。だから、これからあのメイク室にあるひとつのハサミは、伊集院さんの陰毛付きだ。
そういう、ね。そういう激動の昭和…じゃないや、平成な。激動の平成。これは『伊集院光伝』ってのがこれから出るだろう。きっと20年もすれば『伊集院光のオペラ人生』って本が出るだろう。それで、大きく分けて第2章目の『紆余曲折した時期』。この時期の中の、さらに細かく分けて第3章の『私とまわし』。この中でだな、森口博子さんがさっきまで髪の毛ちょっと処理していたハサミで、私がモーインを切った…、モーインって言い方は、どこで定着している言い方なんでしょうか?
ま、そう言うのもありながらですね『誰かがやらねば』はですね、その回だけ、あ、出来ないかな?いまから。あの、CMを自動的にカットするみたいに伊集院光の乳首は自動的にカットされるビデオとか出てくれればですね、あの、大手を振って見ていただいて構わないんですが。ま、伊集院光もそう言う仕事をやりながらですね、いろいろ大きくなっていくと。あの夏目雅子さんだってね、鼻の中にダリーをいれるような仕事を…(※2)、誰だっけ?あのウルトラセブンでやってたの、あれ誰だっけ?誰だっけ?…松坂慶子さんだ!松坂慶子さんだってね、鼻の中にダリー入ってたんだからね、伊集院光の乳毛が見えようが、そんな乳首が見えようがね、俺はこれをステップにして、ひとランク大きくなるよ。あとはね、ボコチンさえ見せなければ恐くない、俺は。ね。だから、次はもう一枚服着せて。お願いだから。フジテレビの人聴いてたら、もう一枚だけ羽織らして、頼むから。でもね、俺は乳首を出して強くなるよ。俺は、相原勇を尊敬して生きる、これから。あの、もう俺はねぇ、もう、ウッチャンナンチャンさんの仕事だから…、あぁ!ウッチャンナンチャンさんが!ウッチャンナンチャンさんが!
(ここで1部終わりのウッチャンナンチャン乱入。以降は3人でのトークに)
伊「どうも、この間はお世話になりました!いや、どうもありがとうございました」
南「よかったよぉ、肛門!」
伊「あ、そうですか。やっぱり。やっぱり、肛門映ってましたか?」
南「肛門?」
伊「肛門」
南「あれ、だから白い布やってたでしょ?」
伊「白い布やってました」
南「でも、伊集院くんにひとつ言いたいね。あの、カメリハと本番で演技変えた方がいいよ」
伊「そうなんですか?あの、僕、アドリブでカメラリハーサルの時に思いっきり面白い事言って、でみんなウケたから安心して、本番でも同じの使ったら、非常にも笑わないものですね」
南「そりゃ、同じネタかましたらねぇ。使い分けなきゃ、伊集院くん」
伊「そうなんですか?まだ私、子供なもんですから…」
南「“死ぬでごわす”やって」
伊「ウケましたよねぇ」
南「ウケたよぉ。ニューテレス軍団ウケたよぉ」
伊「俺コレ。フジテレビに認められたギャグ。もう私、心の底から喜びこみ上げて、本番で同じギャグふったら…」
南「そう、伊集院くん。俺、ちょっと疑問だったのはね、もしかしたら伊集院くんそのまんまやるんじゃないのかなぁ…」
伊「なんで言ってくれなかったんですか?そのノウハウを」
南「やっぱりそのまんまやったからさ」
伊「案の定…」
南「ニューテレスひいたねぇ、そのときねぇ」
伊「ひきましたねぇ」
南「冷たかったねぇ」
伊「その時ですねぇ、ディレクターの吉田さんが僕のとこにきて言った言葉。“カメリハ3割、本番7割!”。それいわれた時に、私はですね家帰った時に、墨で、“カメリハ3割ぃ…”」
南「そう!テレビはカメリハ3割、本番7割!」
伊「これですよね」
南「俺等も言われるもん。カメリハの時“いま、1割の力でいいよぉ”とか言われるもん」
伊「そうなんですか。私は、いままで自分がブルペンエースだったなって事を」
南「なぁ。失敗したなぁ」
伊「なんで言ってくれなかったんですか、それを。そのノウハウを」
内「だって、だって。だってカメリハの前のドライからさぁ、もう100%の力出してやってんだもん」
南「普通は、普通はだいたいね、もう声とか押さえて、段取りだからパッパッパッとカメラとか割る、カット割るそういう練習だから、もう、こうこうこうやるんだけど。もう声がひとりでかいんだよなぁ」
伊「本気ですよねぇ、俺ねぇ」
南「“死ぬでごわすぅ”ってねぇ。もう音声さんがびっくりするような声で」
伊「カメリハの前の、あれ“ドライ”って言うんですか?」
内・南「ドライ!」
伊「それ書いておいたほうがいいですねぇ」
南「そう!書いて書いて書いて書いて書いて!」
伊「語源はこれ、なんなんですか?」
南「ドライ?なんなんだろうな」
内「ドライはもうカメリハ以前の…」
南「打ち合わせね」
内「こういう演技するから…」
南「演技者同士のこうこうこういきますよって言う」
伊「あの、原田知世さんが抜いてやってたところですね」
内・南「そうそうそう」
伊「あそこがドライですね?」
南「絶対に力いれないもん。ああ言う人は」
伊「プロはあそこ力いれないんですかぁ?」
南「いれないよぉ」
内「そこで、アンタ。100%だったもん」
南「それ本読みと同じだから。台本読みながら…」
伊「だって、俺。あそこで思いっきり張り手受けちゃって、本番前にここ赤くなってましたもん、もう既に」
南「でもね、かわいかったね」
伊「え?」
南「伊集院くんの相手がさ。あの加藤優、直江喜一くんね」
伊「加藤優さん」
南「2人でさぁ、アドリブの稽古してるんだよぉ。こうやって僕が思いっきりはたきますから、思いっきり来てください、みたいなね、2人で」
伊「加藤さんも、なんて優しい人なんだろう。俺にこのアドリブの隙まで与えてくれてって思ってたら、加藤さんもカメリハ抜いてましたね。貼り手が、カメリハ2発、本番4発」
南「腐ったみかんじゃないんだよぉ、ただ単に」
伊「そうなんですかぁ。加藤さんと…。かぁ〜。厳しいですねぇ、やっぱテレビは」
南「ひとつわかった?でも」
伊「ひとつわかりましたよ。まずドライ」
南「オールナイトやってる時はどうやってる?」
伊「オールナイトは楽屋から100%ですよ、全部ココで」
内「(大爆笑)」
南「今日とかも、会った瞬間から、この間の話をベラベラベラ〜って」
伊「そうなんですよ。あ、あれはとっといていいんですか?」
南「あれはとっとくんだよ」
伊「だって俺、オールナイト3時から始まるのに、7時に入っちゃうんですよ」
南「うわぁ〜」
伊「みんなにギャグ言っちゃってるから。あぁ、それで。じゃあ、副調のみんな、あれ、作り笑いですか?さっきみんな一回聴いてるもんから」
南「でも、笹沼くんはまだ聴いてないかもしれない」
伊「じゃ、かえって金曜日はよかったかもしれないですねぇ」
南「よかったよぉ」
伊「いままで水曜日の時は全部言ってたんですよ。うんざりするほど」
南「あ〜」
伊「勉強になりましたぁ」
内「ドライは0.カメリハ3、本番で10」
伊「これが黄金配合なわけですね」
南「本番で10」
伊「あ、カメリハで3、さらに本番で10。130%の力をもっていって。」
南「そうそう」
伊「で、肛門はやっぱ出さないほうがいいですか?」
南「絶対に出しちゃだめ」
伊「あの、メイクの所にある、黄色いビニールテープの巻いてあるハサミ、あれ陰毛切りましたんで、次からもしよろしければお使いにならないほうが…」
南「なるほど、ま、そういうの気にしちゃダメよ」
伊「ダメですか?」
南「ダメダメ。俺が陰毛つけたんだからコレを使ってくれよって感じで」
伊「そうですか」
内「南原も何回カメリハで100%出したことか…」
南「俺も出してきたのよ、いままで」
伊「みんな通った道ですか?」
内・南「みんな通ってきた道なのよ」
伊「そうなんですか。みんな1回カメリハで100%出して」
南「出して…。でもカメリハ100%出してないつもりなの」
伊「ええ」
南「カメリハでボソッとアドリブ言ったりするでしょ?そうするとウケるんだよぉ、逆に。リラックスしてるから。ウケて。で、本番で考えられないからカメリハと同じギャグ言ったりすると、ウケないんだよぉ」
伊「そうですかぁ。だから、俺なんかが迷惑かけちゃいけない。俺なんかがNGを出して1分でも遅らせちゃいけないと思って。で、私、最後死体の役で10分間寝てる間、原田知世さん8回NG出しましたねぇ」
南「そう」
伊「あれでいいんだ」
南「終わった後、伊集院くんがいたところ触ったら、湿ってたもん」
伊「そうです。私の形に土俵が水で塗れてましたもんねぇ」
南「濡れてたもん」
伊「死んでるから汗かいちゃいけないと思って、気合で毛穴閉めようと思ってたんですけど」
南「そんな事してたの?」
伊「できないものですねぇ。で、最後に南原さんが犯人を追っかけていく時に、私の死体の上を縦断していく。ポーンと飛び跳ねてく。乗っかってく。これオイシイと思いましたよ」
南「オイシイよ。あれ」
伊「オイシイと思いましたよね、あれ。撮り終ったテープをみんなで見てみようって言ったら、切れてるんですよ、俺」
内「映ってなかったなぁ」
南「俺にアップが来てたから…」
内「俺らの方にバストショットで来てたから」
伊「まさか、足の下に僕がいるとは思わないでしょうねぇ」
内「思わない…。残念。あれ、俺見て“あ、映ってないよぉ”って」
伊「俺、胸のところの南原さんの足跡拭きながら、俺もバストショットを受けるようなタレントにならなきゃいけないなって思いましたよ」
南「そうそうそう。コレからも呼ぶから、がんばってよ、次」
伊「お願いしますよ。次、もう一枚服着させてください。あ、ニップレスでいいです。次、ニップレスまで貼らせてください」
南「そうそう。その代わりもう、カメリハとか抜いてね」
伊「抜いていいんですね。生意気って言われませんか?大丈夫ですか?大丈夫ですか?」
内「(爆笑)」
伊「生意気って言われませんか?カメリハ、ドライ抜いたら」
内「ああ、そうね。だから、新人の時はそれ、あるから」
伊「じゃあ、もう、100%オイシイネタを3本用意していくんですか?」
南「3本」
内「全部、違うアドリブでいくのよ。ドライ、カメリハ、本番って」
伊「じゃ、例えば、本番で一番オイシイ奴、200%出したとしますよねぇ」
南「うん、する」
伊「その後で、原田知世さんがNG出して、もう一回前からやりなおしになったらコレどうするんですか?コレは」
南「やり直しになったら?やるしかないんだよぉ」
伊「4個目ですか?」
南「そう。4個目考えとかなきゃダメよ。それで、そんだけ考えといて、ズーっと編集して出来上がったら、無かったりするのよ。ほかで時間とられて。そう言うところはカットしちゃうんだ、アドリブのところとか」
伊「なるほど」
南「いらないから。ストーリーに関係無いところは」
伊「私の100%、涙の。戦陣の谷から這い上がった努力も」
南「オンエアどうなってるか、楽しみかもしんないよ、どうなってるか」
伊「そうですよね」
内「コレ、オンエア楽しみ」
伊「伊集院光が何分映ってるか」
内「そうそう」
伊「じゃ、クイズです。ここで。伊集院光が何分映るのか」
南「しかも、アドリブがみなさんに届くかどうか」
伊「届くかどうか。それと、あのぉ、上にちゃんと笑いはかぶせてくれてあるのか」
南「そう。編集してるのかどうか」
伊「あと、陰毛はモザイクで消してあるのか」
南「楽しみだ」
内「でも、伊集院くんがひとつ“えらい”って思ったのは、死ぬって時に、死ぬ直前にカメラ目線だったね」
南「上手いね」
伊「あ、どうもありがとうございます」
内「あれはよかったなぁ」
伊「得るものはあったんだぁ」
南「タリーって赤いランプがつくから。そこ目掛けていかなきゃ」
伊「あ、あの赤いランプは、このカメラが動いてるって言う…」
内「あ、それわかんなかったの?(爆笑)」
南「そこは撮ってるよっていう…」
伊「なんだぁ。あれオシャレなカメラなんだなぁって思ってたんだ」
南「違うんだよ。ここは映ってるよってサインだから」
伊「“ここが映ってるよ”と…」
南「逆にそこね、映ってなくても、じーっとやってると、そこにタリーが移ってくるから。3カメじーっと見てたら赤ランプつくから。そしたら映ってるから」
伊「あんなに優しかった加藤さんも教えてくれませんでしたですよぉ、それ」
南「ライバルだもん、それは」
伊「次の第4世代に加藤さんが来るか?」
南「直江喜一がね」
伊「直江さんですか?直江さんが来るか?僕が来るか」
内「そう」
伊「これからも、本当、お願いします」
南「来てよ」
伊「ついて行きますんで、ホントに。いつまでも、ホント、誰でもどこでもついていきますんで。お願いします、どうも。なんならマセキ芸能社に移ってもいいです、僕」
南「ゆたと巨漢コンビ組んだら?」
伊「あぁ!でも食い合いですねぇ、キャラクターがねぇ。そうなぁ、ゆたと食い合いはきついなぁ」
南「似てるもんなぁ」
伊「尾久で生まれたってとこまで一緒なんですよ」
南「カズと気があわないの?」
伊「いや、何言ってるんですか!何言ってるんですか!それ」
南「ゆたとばっかり話しててさぁ」
伊「え?」
南「そんな事無いよね」
伊「そんな事無い。カズくんも好きですよ」
南「あぁ。そうかぁ」
伊「本当に今日はありがとうございました」
南「ごめんね、ごめんね、どうも」
伊「どうも、すみません、どうも。がんばります、はい。カメリハ3割、本番7割…。はい。じゃ、一回コマーシャル入ります」
※1 番組が金曜日になってから、作家(藤井青銅氏、笹沼大氏)やミキサーさんなどがANN1部(ウッチャンナンチャンと兼任なため、オープニングではディレクターと2人だけだという話をしていた。これは、CM中にレッドスカイスタジオ(1部)からブルースカイスタジオ(2部)に入ってきた笹沼氏に対しての言葉。
※2 笹沼氏すかさず“違う!”とツッコミ。さすが。ちなみに、ダリーは体長1mmの宇宙細菌。
で、なんで“フリートーク”とは言えないこの回を急に書き起こしたのかというと、ここで乱入したウッチャンナンチャンが久々にレギュラーを持っているTBS『大人の時間割・ウンナンタイム』の2005年1月7日放送分にて以下のようなトークがあったのです。
(ナンチャンが大河ドラマ『義経』の初登場シーンを撮ったという話のあとで)
南「これは内村に聞きたいんだけど、ドライとランスルーと本番、だいたい3回に分かれるじゃん」
内「だいたいやりますねぇ」
南「お前、芝居はどう考えてる?芝居変えるタイプ?3つとも」
内「え?私はだいたい、あの、ま、ドライは自分でも一応がんばろうと思うんですけど、やっぱり癖で、なかなかテンションがあがらないまま終わっちゃって」
南「コントあがりはね?」
内「そうそう、コントあがり…(笑)」
南「コレ今、役者としてどういう風にやるのか聞いてる訳、先輩の内村に」
内「で、その後、カメリハ、ランスルーってあるじゃないですか?ね。そん時に、結構、でも調子上げますよ、やっぱり」
南「あ、テンション上げるんだ?」
内「はい、テンション。やっぱ、それは慣れで…」
南「慣れでね」
内「やっぱ、ランスルーは本番並ぐらいの」
南「あ、テンション上げて?」
内「ええ、テンション上げて。でも、やっぱり本番は違いますよね」
南「違う」
内「あの、アドレナリンの出方というか…」
南「はい!まわった!って言うとね」
内「うん」
南「まわった!カメラまわった!って言うとね」
内「うんうん。でも、でも、なるべくランスルーは、その本番前の最後のテストの時は、なるべく本番に近い形でやってますけど…」
南「あ、徐々に上げてくタイプなんだ」
内「そうです、徐々に」
南「俺、それがわかんなくってさぁ。俺、カメリハから全力投球なんだよ」
内「(大爆笑)」
南「みんなローテンション。俺ひとり、声でかくて。“まて〜!”とか」
内「それも初登場シーンだから」
南「そう」
内「結構長まわしで撮るの?そこは?」
南「そうそう。初登場シーンでね。先に声を先行しといて、パッとぬかれるってやつなんだけど」
内「スタジオだぜ?」
南「スタジオ」
内「あ〜、あ〜」
南「で、わかんない…。それも、やり方わかんなくって、ようやく慣れてきたんだけど、俺、結構最初からテンション上げるタイプなのよ」
内「ふ〜ん」
南「上げると…、でさぁ、最後テンション持たないんだよ。本番の時になると疲れてテンション一番下がってる状態なんだよ。これじゃあマズイと」
内「はい」
南「ね。で、本番が一番大事だから…」
内「そうです」
南「その1・2・3。1・2・3って上げていかなきゃいけない」
内「なんだかんだ、放送されるのはね、いくらカメリハでがんばろうが、全力出そうが、本番なんだから」
南「関係無いのよ、そう。で、これじゃあいかんと思ったのね。で、カメリハ全力投球出るのはしょうがないって思ったのね。バーって一回声出さないと不安だから」
内「気持ち高ぶっちゃうから」
南「出してみて」
内「は〜い」
南「ランスルー。ここんとこで一回下げようと」
内「ランスルーで。ほいほいほい」
南「一個下げて、で、本番の時にもう一個乗せてみようと」
内「うんうんうん」
南「あ、このパターンが俺のパターンだって思ったわけよ」
内「そういう波で行こうと」
南「この波で行こうと。これを得たわけよ」
内「はい」
南「で、カメリハ、ダーっと本意気のテンションでまず行って…」
内「(笑)」
南「スタジオ中が“えーっ?”っていう顔で見るわけよ、俺を。でも、これは俺のペースだから。いいわけよ、って思って」
内「(大爆笑)はいはいはい」
南「で、登場シーンも“カッ”っとにらんで出てくるわけ。で、これぐらいで本番行こうと」
内「はいはい」
南「で、次、ランスルーで下げようと。ま、わりに“ま、こんな感じで行きますよ”っていう顔で出たわけ」
内「うん」
南「じゃ、本番の時どの顔で行こうかなぁって思って。で、監督が来てさ“ここは伊勢三郎、登場シーンですから。お願いします!”“わかりました”」
内「うん」
南「…ってとこで、なんか全てとんじゃってさぁ、そこで」
内「(爆笑)」
南「あ、初登場だ、って思ったら舞いあがっちゃって、で、登場してくるシーンさぁ、義経を囲ってるわけよ」
内「はい。襲ってきたと」
南「襲ってるわけよ。で、前に熊坂長範っていう俺の頭領が囲って“やばい!”って、後ろ振り向いたら俺がいるって言うシーン。伊勢三郎がいるってシーン」
内「はい」
南「そこんところで“じゃ、本番!”“これ、初登場ですから”“わかりました”」
内「(笑)はいはい」
南「俺、なぜか知らないけど出てきて“本番!よーい!スタート!”ダダッ“誰だ?”。…俺、ニヤっと笑って出てったのよ」
内「はいはい」
南「笑顔で」
内「はいはいはい」
南「うわっ、しまったぁ。“はい!カットーっ!”しまったぁ、笑顔はマズイよなぁ、って思って」
内「うん」
南「笑顔じゃないやつで、って思ったら“はい!OK!”」
内「あら。本番?」
南「本番」
内「OK?」
南「OK」
内「はい」
南「で、俺の構想と全然違う感じだったんだけど。俺の中ではグッっと睨んで行こうと思ったら、笑顔で最後出てっちゃった」
内「それ、丸々映って」
南「丸々、大映し」
内「それ、全国放送の?」
南「OKテイク」
内「OKテイク」
南「難しいなぁ、どうやって上げていくのか」
内「(爆笑)」
(南原さん、15年前にコントで人に教えてた事なんですが…)